保守主義Series-8--- E・Burke『フランス革命の省察』に学ぶ;祖先からの相続財産=“自由と法と諸権利” [政治]
読者の皆さまには、いつも私〔=ブログ作成者〕の稚拙な小論をお読み頂き、深く御礼申し上げます。
さて、今回Series 8は、エドマンド・バーク『フランス革命の省察』の中から、祖先からの相続財産=“自由と法と諸権利”について、バークの主張を拾い上げた。
傲慢かつ無能に加え、日本国民を騙して政府官邸に居座り続ける、卑怯首相、菅直人の率いる民主党政権。
さらには、革命市民たる菅直人や鳩山由紀夫ら民主党幹部その他が日本人拉致問題の容疑者(つまり北朝鮮)と親密な関係にある「市民の党」(酒井剛代表)から派生した「政権交代を目指す会」に巨額の献金を行なっていた問題は、決して「知らなかった」とか「すでに返金した」などいう詭弁で責任逃れできる問題ではない。
彼らは、「理想の(地球)市民」や「市民革命なるユートピア」あるいは「共産主義国家・北朝鮮による日本人拉致被害者および家族会の方々の人権」等を高らかに、社会的正義なる似非正義を叫ぶ(→ハイエクによる)が、自らの行動は、その主張とは真逆で、
「祖国日本の廃滅」、「日本国民への憎悪」、「虚構の人権論による死刑制度廃止論の絶叫」、
「マルクス主義から発する、幸せな家族への憎悪と破壊衝動からくる夫婦(親子)別姓の推進」、
「マルクスの階級闘争思想の性差への適用であり、男性らしさ、女性らしさを憎悪し相対化する悪魔のジェンダー・フリー思想の教育化」、
「周辺国の大量核兵器保有・原発大推進を一切無視し、閉口する、矛盾に満ちた反核・反原発運動」、
「『共産党宣言』、『共産主義の諸原理』等に堂々と掲げられた、私的所有廃止を目的(資本主義打倒目的)とした、強度の累進課税、重い相続税、強制公債発行(=国債の無限発行)などによる当面の私的所有の制限政策、及び家族の廃止、共産主義思想教育のための社会施設での子育て、・・・などの政策の遂行」、
・・・等々(枚挙に全く遑がない!)などを平然と行ないながら、それらの政策が必然的に導くであろう「悲惨な結果・結末」については何の責任感も罪悪感も持たない。
これが、社会主義者・共産主義者の思想および人間性の本質であり、すなわち、そのような思想狂信者の集団たる政党の本質である。
このことは、歴史上の社会主義国家・共産主義国家で起こった事実を振り返れば明白であろう。
このような悪徳思想は、日本国から徹底的に排除し、棄却し、消滅しなければならない。
我々日本国民の祖国たる日本国は、ルソーやマルクスやエンゲルスやウェッブ夫妻のフェビアン協会の空想的理論で建国された国家ではない!
ゆえに、社会主義・共産主義思想の唯一無比の解毒薬である保守主義の父・エドマンド・バークの『フランス革命の省察』における最強の保守哲学を日本国民に拡散し、徹底周知しておくことが徐々に民主党、社民党、共産党その他の社会主義政党などに破壊的打撃を与えていくであろうことを私〔=ブログ作成者〕は確信して、エドマンド・バークの『フランス革命の省察』を真正保守(自由)主義の立場から正しく邦訳しなおして、逐次ブログに掲載し、日本国中に復活させる所存である。
なお、邦訳文は、半澤孝麿訳(『フランス革命の省察』、みすず書房)を基礎として、細部を私〔=ブログ作成者〕が更訂して理解しやすくしたものである。なお、邦訳文中の( )内は私〔=ブログ作成者〕が補足説明したものである。
The third head of right, asserted by the pulpit of the Old Jewry, namely, the “right to form a government for ourselves,” has, at least, as little countenance from anything done at the Revolution, either in precedent or principle, as the two first of their claims.
The Revolution was made to preserve our ancient indisputable laws and liberties, and that ancient constitution of government which is our only security for law and liberty.
If you are desirous of knowing the spirit of our constitution, and the policy which predominated in that great period which has secured it to this hour, pray look for both in our histories in our records, in our acts of parliament, and journals of parliament, and not in the sermons of the Old Jewry, and the after-dinner toasts of the Revolution Society. ---In the former you will find other ideas and another language.
Such a claim is as ill-suited to our temper and wishes as it is unsupported by any appearance of authority.
The very idea of the fabrication of a new government, is enough to fill us with disgust and horror.
We wished at the period of Revolution, and do now wish, to derive all we possess as an inheritance from our forefathers.
Upon that body and stock of inheritance we have taken care not to inoculate anything alien to the nature of the original plant.
All the reformations we have hitherto made, have proceeded upon the principle of reference to antiquity; and I hope, nay I am persuaded, that all those which possibly may be made hereafter, will be carefully formed upon analogical precedent, authority, and example.16)
16) Edmund Burke, “Reflections on the revolution in France”, Dover publications, Inc, pp.28-29.(『フランス革命の省察』、みすず書房、40~41頁に対応)
旧ユダヤ人通りの(革命協会の)説教壇(の紳士諸君)が言いたてる権利の第3項目、即ち「我々自身のために政府を形成する権利」もまた、彼らの先の二項目の主張と同様、先例原則(=歴史事実と憲法の諸原理)いずれの見地からしても、少なくとも名誉革命に際してなされたどんな事実からも支持されるものではありません。
名誉革命が行なわれたのは、我が英国古来の議論の余地無き現実の法と自由を護持するためであり、また、我々英国民にとっては、法と自由に対する唯一の保障である、あの古来の英国の国体を護持するためでした。
もしも貴方が英国憲法の精神を知りたいお望みならば、また、英国憲法を今現在に至るまで保障してくれた、あの偉大な時期の支配的な国策を知りたいとお望みならば、
どうか英国の歴史、英国の裁判記録、英国議会の法令や議会の議事録の中に、それらをお探しいただきたいのであり、
間違っても旧ユダヤ人通りの(紳士諸君の)説教や革命協会の食後の乾杯の挨拶などの中にお探しになってはなりません。
前者の中には後者とは別の思想と別の用語があることがお判りいただける筈です。
後者の主張は英国民の国民性や願望とは合致しませんし、また同様に、(英国民が)その主張を支持し得るほどの権威らしきものは何もありません。
新しい統治体制を構築するという、まさしくその思想だけでも、英国民(の心情)を嫌悪と恐怖で一杯にするのに充分なのです。
名誉革命の時期において、我々英国民は、我々が所有するものすべてを、我々の祖先からの相続財産として、そこに(自由と諸権利の)起源を求めるよう懇請しましたが、そのことは現在でも変わっておりません。
本々の植木の性質にそぐわないものを、そうした相続財産たる幹や元株に接ぎ木しないよう、我々英国民は注意を払ってきました。
今までのところ、我々英国民が行なってきた(国体に関する)すべての改革は、昔日に照らす(=故きを慍ねて新しきを知る)という原理に基づいてきました。
そして今後、ことによると為されるかも知れないすべての改革も、
古来の先例(→前記のin our histories:「英国の歴史」と対照)や
古来の権威ある判例(→前記の:in our records「英国の裁判記録」と対照)や
古来の英国議会の行動事例(→前記の:in our acts of parliament, and journals of parliament「英国議会の法令や議会の議事録」と対照)
を真似て、慎重に行なわれることを私は願っているのみならず、そう確信しているのです。
Key words and phrases;
The Revolution was made to preserve our ancient indisputable laws and liberties, and that ancient constitution of government which is our only security for law and liberty.
If you are desirous of knowing the spirit of our constitution, and the policy which predominated in that great period which has secured it to this hour, pray look for both in our histories in our records, in our acts of parliament, and journals of parliament,
The very idea of the fabrication of a new government, is enough to fill us with disgust and horror.
we possess as an inheritance from our forefathers.
All the reformations we have hitherto made, have proceeded upon the principle of reference to antiquity; and I hope, nay I am persuaded, that all those which possibly may be made hereafter, will be carefully formed upon analogical precedent, authority, and example.
→私〔=ブログ作成者〕の解説:
私〔=ブログ作成者〕にとっては、エドマンド・バークの『フランス革命の省察』は、ようやくこの辺りから“本論”へ入っていく、という感じさえある。
今回のパラグラフは、バーク哲学の“世襲の原理”の概論的なものとして抽出している。
我々、現在の日本国民が享受している“法/憲法”、“自由および諸権利”および“政治体制”は、現在の日本国民のみによって、全く新しく創造されたものではなく、日本国の二千年以上に及ぶ歴史上の皇祖皇宗及び日本国の祖先が、祖先から子孫へと“世襲による相続”を繰り返し、現在の日本国民まで“継承”され、送り届けられた“遺訓”及び“相続財産”であると認識せねばならない。
日本国という国家の“国法”やそれによってのみ擁護されて存在しうる“国民の自由と諸権利”あるいは“伝統”や“慣習”は祖先から子孫への「生」の繋がりの連続の中で、自生的に発生し自然成長してきた歴史的・文明的遺産なのであって、決してルソーやマルクスのような「デカルト的設計主義合理主義」の「机上の設計図」に基づいて、特定の時代の特定の人間が独自に計画的に創造して、建設したものではない。
そのような事実に気づくことができるならば、我々はもっと皇祖皇宗を畏敬し、もっと日本国の祖先を尊崇して感謝し、日本国固有の“国法”、“伝統”、“慣習”を尊重し丁重に扱わねば、御先祖に申し訳が立たないと感じるだろうし、御先祖が我々にして下さったとおりに、我々自身も子々孫々により良き日本国を世襲相続し、送り届けるべき責任感があるのだと自覚されるのではなかろうか。
これが、バーク哲学の“世襲の原理”、“祖先からの相続財産としての法、自由、諸権利”の概説である。
なお今後、読者の皆様にエドマンド・バークの『フランス革命の省察』の邦訳シリーズの続編をより良く理解して頂くために「権利の章典1689年」を引用せねばならない場面が多くなると思われたため、この度、私〔=ブログ作成者〕はBill of Rights (1689) を全文邦訳した。
これまで、インターネット上においてBill of Rights 1689のまともな邦訳版は(私〔=ブログ作成者〕が調べた限りでは)一本も無かったため、私〔=ブログ作成者〕が邦訳し、ホームページ「バーク・リバイバル」に掲載した(実は今回は、こちらの作業に労力を要してしまった次第である)。
参考までに、リンクを貼っておくので、必要に応じて参照頂きたい。
権利の章典(全文邦訳)リンク→Bill of Rights(1689), 正式名称;An Act Declaring the Rights and Liberties of the Subject and Settling the Succession of the Crown.
ホームページリンク→「バーク・リバイバル」トップページ
【平成23年8月8日掲載】
エドマンド・バーク保守主義者(神戸発)